体はどのぐらい使うのが正しいのか?

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体はどのぐらい使うの?

みなさん、こんにちは!

車田和寿です。

今日は、歌う上で体はどのぐらい使えばよいのか?という話をしたいと思います。

歌う上では、体を使うことがとにかく大事ですよね。
「もっと体を使って歌いなさい」と言われたことって、結構あるんじゃないでしょうか。

だけど、一生懸命体を使おうとすると、「固くなっているからもっとリラックスしなさい」と言われたり、または一生懸命全力でやっているつもりでも、「もっともっと」なんて言われたりしますよね。

僕自身の経験でも、毎回毎回全力でやっているつもりなのに、「もっともっと」「全然足りない」なんて言われることがたくさんありました。

ここで最初の質問に戻りますが、いったいどのぐらい使うのが声楽において正しいんでしょうか?
やりすぎと足りないの境目は、いったい何なんでしょうか?

今回はその辺を整理してみたいと思います。


答え ― 必要なだけ使う

それでは、声楽ではどのぐらい体を使えばいいんでしょうか。

早速答えを言いましょう。

答えは、**「必要なだけ使う」**です。

必要な分より少しでも足りなければ、それは足りないということになるし、必要な分以上やっていたら、それはやりすぎということになります。

この「必要な体の使い方」というのは、

  • どんな音域を歌うのか
  • どんな強さで歌うのか
  • どんな曲を歌うのか

によって、もちろん多少変化します。

でも基本的には、高ければ高いほど、大きければ大きいほど、体は使わなければなりません。

ただし、それはその音を出すために必要な分だけ使えばよいのであって、それ以上は必要ないし、それ以下だったら足りない。割と単純な話なんです。

ただ、多くの人は、まだ「必要な分」がどれだけか分かりません。

そしてそういう人の大部分は、実際にはまだ必要な分だけ使えていない場合が多いです。


最初は必要な筋肉がない

勉強を始めたばかりの人というのは、基本的に必要な筋肉がまだありません。

分かりやすくするために、ダンベルの重さに例えてみましょう。

例えば、オペラのアリアを楽々歌うためには、ダンベル10キロを楽に何回も持ち上げられるぐらいの筋力が必要だと考えてください。

もちろん10キロというのは現実的な数字ではなく、あくまでイメージです。

つまり、オペラのアリアを歌うためには、それぐらいの「歌う筋力」が必要だということです。

でも最初は、ほとんどの人が10キロを持ち上げるだけでも大変です。
みんなこの状態からスタートします。

つまり、自分に10キロを持ち上げるための筋肉がつくまでは、その人は常に自分の限界を更新するような練習が必要ということになります。

1キロができたら2キロ。
2キロができたら3キロ。

筋力というのは、少しずつしかついていきません。

例えば10キロができるようになるまでに3年かかるとしましょう。
その3年間というのは、常に自分の限界以上に挑戦している状態になります。

だからこのフェーズにいる人は、毎回110%出すつもりで体を使う必要があります。

だって、そうしないと筋肉は成長しないからです。

10キロを持ち上げられるようになりたいのに、毎回2キロ分の力しか出していなかったら、いつまでたっても10キロを持ち上げられるようにはなりません。

つまり、ある程度しっかり使っていかないと、必要な筋肉は育たないんです。

だからこの状態の生徒に対しては、もっともっと体を使うことを促す必要があります。


必要以上に使う必要はない

では逆に、10キロを超えたらどうなるでしょうか。

オペラを歌う上では、30キロの重さは必要ありません。

10キロの重さで、しっかり回数をこなすことができれば十分なわけです。

つまり、15キロ、20キロを持ち上げるような筋力までは必要ない。

10キロを超えたら、毎日必死になって110%を出し続ける必要はなくなります。

それをやってしまったら、今度はやりすぎになるわけです。

だから、そういう状態の生徒に対しては、「それはやりすぎだよ」と言わなければならなくなります。

つまり結局は、歌い手が今どの段階にいるのかによって、必要な体の使い方は変わるということなんです。


「固さ」は使う量ではなく、使い方の問題

ただ、一つ注意しなければいけないのは「固さ」です。

固くなっている場合というのは、体を使いすぎている場合もありますが、多くの場合は、必要じゃない筋肉まで使ってしまっていることで起こります。

つまりこれは、使う量の問題ではなく、使い方の問題なんです。

大事なのは、

  • 必要な筋肉をしっかり使う
  • 必要のない筋肉は使わない

この二つを分けて考えることです。

もちろん、固い場合は「リラックスしなさい」と言われることもあります。

でも実際には、ちゃんと使うべき筋肉が使えるようになって、初めて「不要な筋肉を使わなくていいんだ」ということを、体が学んで分かってくる部分があります。

歌の動きというのは、リラックスしただけでは決して上達しません。

やっぱり、使わなければいけないところはしっかり鍛えて、そうでないところの余分な力を抜く方法を、同時に学んでいかなければいけないんです。


まとめ

多くの人は、「もっと使おう」という意識を持って取り組むぐらいで、ちょうど良い場合が多いです。

そして先生に「やりすぎ」と言われたら、その時に減らせばよいわけです。

最初からリラックスしてばかりでは、決して体は使えるようにはなりません。

ただし、固くなってしまう人は、それは使い方の問題です。

まずは余分な力が入らない、正しい動かし方を学ぶ必要があります。

こういった体の状態というのは、

  • 「リラックスすればよい」
  • 「力を入れればよい」

と単純化されて語られることが多いんですが、決してそんな単純な話ではありません。

僕自身も、先生にずっと「もっともっと使え」と言われて、かなり必死になっていた時期が長かったです。

でも今振り返ると、やっぱり先生は正しかったですね。

ただ、あるポイントを過ぎてからは、「そこまでは必要ないんだ」ということも、ちゃんと教えてもらいました。

声楽を学んでいる間は、自分の体も絶えず変化し続けます。
そして感じ方も、常に変わっていきます。

そういった中で、今の自分に本当に必要な分だけ使えているのか。

その辺を見極めながら、ぜひ練習してみてください。

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